アレサ・フランクリン : UA ニーナ・シモン : 浦嶋りんこ
オデッタ/ベッシー・スミス : 藤原さくら エタ・ジェイムス : 長屋晴子(緑黄色社会)
総合プロデューサー : 亀田誠治
2022.08.16
2022.08.15
2022.07.12
2022.06.24
2022.06.10
2022.05.26
1967年に音楽シーンに登場し、
唯一無二の歌声でアメリカの音楽史を塗り替えた
伝説の女性ロック・スター、ジャニス・ジョプリン。
生涯孤独と闘い、27歳で急逝したが、
50年以上経つ今もなお、後進のアーティストたちに
インスピレーションを与え、
信奉する若いファンを増やし続けている。
本作では、“亡くなる1週間前の、
一夜のコンサート”をコンセプトに、
ジャニスの半生を舞台化。
ジャニス(アイナ・ジ・エンド)が
自らの物語を語り、
それに紐付く数々の名曲を熱唱していくだけでなく、
彼女に大きな影響を与えた
アレサ・フランクリン(UA)、
ニーナ・シモン(浦嶋りんこ)、
オデッタ、ベッシー・スミス(藤原さくら)
エタ・ジェイムス(長屋晴子)らが演者として
登場し、
ジャニスのルーツとなった音楽の一端にも
触れることができる、
コンサートスタイルのミュージカル!
Ba : 亀田誠治
Dr : 河村"カースケ"智康
Gt : 小倉博和
Gt : 名越由貴夫
Key : 斎藤有太
Sax : 山本拓夫
Tp : 西村浩二
Tb : 半田信英
総合プロデューサー : 亀田誠治
演出 : 藤倉梓
訳詞 : 森雪之丞
翻訳 : 丸山京子
振付 : 菅谷真理恵
音楽監督補/歌唱指導 : 森大輔
演出助手/振付助手 : 柴崎咲子
ヘアメイク : 山田信之介
衣裳 : 金澤見映
宣伝 : JOIND
メインビジュアル : Leslie Kee
制作 : WOWOW
脚本/オリジナル演出 : ランディ・ジョンソン
オリジナル振付 : パトリシア・ウィルコックス
8/23(火) 25(木) 26(金)
OPEN18:00 / START19:00
東京国際フォーラム ホールA
計画書アップロード日:2022年7月5日
INTERVIEW
―――― レスリーさんとの撮影は如何でしたか?
集中力が途切れたら終わりっていう緊張感のある撮影で、とても楽しかったです。
あのテンポ感で、風がいっぱいある撮影とかも初めてで。
緊張してないけど、緊張感があるみたいな。なんかこう自然体でいるんだけど集中力は必要、みたいな。初めての経験でした。
波長が、おこがましいかもしれないですけど、合った気がします。
レスリーさんが、私がなにげない仕草をしたときに、“そのままいこう”と言ってくださったおかげで、“あ、私このままでいいんだ”と思えたので…。 さらけだしていけばいくほど、それを受け止めてくれたし、それに味付けをしてくれたんですよ。“もっとカメラのほう向いて”とか、“あっち向いて”と。その化学反応みたいなところがすごく楽しくて、”波長が合っている、今”って思ったりしました。
―――― 今回のビジュアル撮影を経てジャニスに近づいている実感はありますか?
おうちでジャニスのことを考えていたら、なんか辿り着く答えが全部悲しくなっちゃうんですよ、今はまだ。それがたぶんポジティブになる日が、いつかくると思って、家で向き合っています。今回の撮影で、メイクさんにメイクしてもらったり、羽つけてもらったり、衣装着せていただいたり、ライティングでかっこいい「J」っていう光を当ててもらったり。ジャニス・ジョップリンというのになったときに、あ、もしかしたらジャニスって、こんなに考えて考えて考え抜いてないのかもと。だからこそ、あんなソウルが歌えるのかも、と思ったり。
―――― 亀田さん推薦の元、ミュージカル初主演。お気持ちお聞かせください。
亀田さんが選んでくださったっていうのは、言葉にするのが難しいくらいうれしいですね。私、中学1年生から中2くらいまで、ミュージカルスクールに行っていて、中学生の時の夢はミュージカルスターだったんですよ。ミュージカル「アニー」のオーディションとかも受けたくてオーディション紙書いたりしたんですけど、お父さんに“お前は顔で落ちるからやめとけ”って言われて、なんかオーディションを受けなかった過去があったり。
宝塚歌劇団もその理由で受けなかったりしていて。だけどなんか小さい時から“自分は歌って踊る、それをステージでやりたいと思っていたので。もちろんいまBiSHとしてライブで自分を表現できているのはすごく幸せですけど、ミュージカルっていうのは小さい時の夢なので、なんかうれしい、やってみたいって思いました。
それこそ紅白歌合戦とか、すごい緊張感のあるステージの裏とか、どっかのライブの番組の裏とか。亀田さんとお会いするたびに、決まって話題に上がるのがジャニスで。“これ送っとくよ”とか。“こんな資料送っとく”とか。ほんとにちゃんと送ってくださるんですよ。だからもう、“これいただいたから勉強しよう”って。そんなやりとりをここ半年くらいやらせていただいてます。”
亀田さんは、ものすごく真心があるっていうか、なんかこう、温かいし、全部を包み込んでくれるような、柔らかさがあるのに、すっごい鋭いんですよね。
私が亀田さんにいつも直接言って、亀田さんがあまり理解してくれないことがあるんですけど、亀田さんはすごく覇気があるんですよ。亀田さんの目を見てお話していると、私は脇汗が止まらなくなる時があって… あの強い覇気ってのは愛のパワーなのか、それとも音楽への熱心なパワーなのか、私はわからないんですけど、とにかく覇気がすごい。だから、それに影響されて、“亀田さん、亀田さん”って近づいていく人がいっぱいいるのもめちゃくちゃわかるし、私もそのうちの1人ですね。
―――― ベースを亀田さんご自身で演奏しますし、その他豪華バンドメンバーとの共演。お気持ちは?
リアルに戦国時代を生き抜いた武将たちの集まりだと思うんですけど、あの方々は。自分なんて一緒にステージに上がるなんてと思うほどの方々なので、ちょっと”ふーむ”と構えてしまいそうですけども。そこを突き破っていきたいですし、そうさせてくれるのがいつも亀田さんなので。穏やかな愛で見つめてくれるので。私は精一杯やるしかないです。
―――― ジャニス・ジョブリンのイメージは如何でしょう?
27歳で亡くなったという割に名言がすごく多くて、自分もはっとするような言葉が多いです。生き方がかっこいいなーみたいなのを、めちゃくちゃ思います。
「あなたはあなたの妥協したものになる」って、よくわからないけどいろんな意味に捉えられるじゃないですか。“自分を安売りするな”っていう意味にも聞こえるし、“あなたはあなたがしたことがすべてだから、すべてをあなたの思うようにしなさい”みたいな意味にも聞こえる。だから、まだジャニスの言葉の本心はわかってないんですけど、私は “自分を安売りするな”って受け取っています。
―――― ジャニスとの共通点はありますか?
知れば知るほどあるんですが、さみしがりやだったのかなって思っています。
ドキュメンタリーとか、友達と電車で移動してツアー回っている映画を見たりすると、すごく楽しそうですけど、どっか空っぽな目をしていて…。その時間があるからこそ、歌で発散する、だからあのソウルフルな歌が歌えているのかなって思ったりして。そこはちょっと似ているのかなって。人に言葉で伝えるのでなく、そのエネルギーを歌に持っていくみたいなところはちょっと共通点なのかなって思ったりしていますね。生きがいが歌、みたいな。
―――― アイナさんご本人について少しお聞かせください。
ダンスを4歳からやっていて、それこそ、私はダンサーとして生きていくんだと本当に思っていました。学校も行けない時期があったけど、ダンスだけは休まず通っていました。高校3年生の時、ダンスの親友みたいな子とカラオケに行った時に…、もうその子とは長い付き合いなのですが、ダンスもずっと一緒にやっていて、カラオケで私が歌ったら泣いてしまって、初めて“尊敬したわ”って言われて、“アイナは歌のほうがいいよ”って言われたんですよ。
でも思い返してみたら、いつも友達たちとバックダンサー・オーディション受けても、私だけ落ちるとか、立ち位置も思い返せばいつも一番端っこだったなとか。なんか同い年の子とかにも、“アメンボみたいな踊り方している”とか、ちょっとばかにされているところがあったなって。まあ、大阪のいじりみたいに受け取っていましたが、よく考えてみると、もしかしたら、本当にばかにされていたのかもと思い、でもダンス大好きだしな、と悩んでいた時でした。
その親友の言葉があったので、歌やってみようかなと思いまして、歌のオーディション受けて、高校3年生の時に歌の舞台に立ったんですが、その時にステージで歌った時に、いままで “アメンボみたい”とか言ってた女の子たちが、終演後走って寄ってきてくれて、”めっちゃいいやん!みたいな。なんか私びっくりして。
今までダンスで一生懸命頑張っても、誰も何も言ってくれなかったのに、歌を歌うだけでこんなに人が寄ってきてくれるんだって。そこで初めて、歌っていうのはもしかしたら自分にとって何かこれからの武器になるのかもしれないなって、高校3年生の時に思いました。そのときはまだ生きがいとかじゃないけど、自分の居場所がもしかしたら歌かもって思うようになりました。
学校にちゃんと行けてなかったので。ダンスをやるしか生きていく方法がなくて。ダンスより歌が楽しいってなったら歌しかなくて。歌やるなら東京でやろってなって。浅はかな考えだったですけど。
一応大学とかも決まってたですけど、お母さん説得して。
なんか、行かせたくなかったみたいで、勝手に入学金とかも払っていて。でも、どうしても行きたいって。そうしたらお父さんが“行かせたり”って言ってくれて。
私もジャニスを調べていくなかで、これも1つの共通点だなって。見切り発車で動いてしまうところとか、結構似ているのかなと思ったりしました。
ジャニスはすごくエネルギーがあって、ハスキーでパワフルってイメージがあるかもしれないけど、実はちょっと繊細でさみしがりやな女の子だったと思います。もちろん一人で夜を越えるのができなかった時もあったと思うし、うまく眠れない夜も絶対あった女の子だと思う。それは時代を超えて今もそういう人がたくさんいると思うし、私もそうだし。だから、時代関係なく、年齢関係なく、今生きている人たち皆が、どこか心にひっかかるものがあると思うので、見にきてほしいなって思います。
―――― 影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?
初めてCDを買ったのがYUIさんとかBump Of Chickenとか。もうそれこそギター弾いて歌うみたいなバンドが好きだったり。でも4歳からダンスをやっていたので、だれがアーティストかわからないけど英語の歌で踊るっていう習慣がずっとついていて。大人になってからビョークが好きだったり、なんか、いっぱいいて…。だからその時々違うんですよね。難しいですね。
最近は、レコードが好きで、本当にお導き系かなって思うくらい、ジャニスをやるってなってから、60年代の、それこそジム・モリソンとか…。なんか知る機会が多くて、60年代の音楽を。本当に運命なのかなって思っちゃうくらい多くて。もちろんジャニスと同じ時期に生きていたバンドを聞いてみたり、そのほかにはジャケ買いしてます。だから、ジャニスが決まってから、わりとジャケットで選んでレコードを買ったりしてます。
全然、ほんとに全然わかんないジャズのサックスの人とか買っちゃいます。
サム・クックとかチャック・ベリーがジョン・レノンを好きだったのかな。
60年代の人たちが好きだった、憧れていた音楽を最近はレコードで集めたいなと思って、ずっと探してます。
―――― 今回の共演者とパフォーマンスする意気込みは?(アレサ・フランクリン役:UA、ニーナ・シモン役:浦嶋りんこ、オデッタ&ベッシー・スミス役:藤原さくら、エタ・ジェイムス:長屋晴子(緑黄色社会)
自分一人で夜にジャニスのことを考えていると、ぼんやりしてきちゃうんですよね。ぼんやりして体だけが熱くなっていっちゃって。不思議な感覚になっちゃうんですよね、今。たぶんそれって、自分で気づいていないだけで、もしかしたら、これをプレッシャーっていうのかなとか、思ったりしてて。でもその時にぱっと思いつくのがそのキャストの方々で。“大丈夫だ、UAさんがいる”とか。“大丈夫だ、晴ちゃんがいる”とか。なんかこう自分1人で踏ん張らなくても、すばらしいキャストの方々がいるから、気負わずみなさんで作り上げていこうって自分に言い聞かせてて。きっとジャニスってそんなに気負った性格してなさそうな気もするんで。楽しみにしておこうと思っています。
ジャニスに“あなたのやることがあなたのすべて” みたいに言われてる気がするので、精一杯やりきりたいと思います。